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敷金返還 事例と判例を見てみよう

敷金返還の事例を判例のご紹介です。



よくある事例と判例


ハウスクリーニング代の請求などよくある事例と判例



ハウスクリーニング代を請求された


民法では、借家契約のや対象物件を修繕する義務は大家さんが負うとしています。
入居者は退去時に「はき掃除、ふき掃除、ゴミの除去、水回り、換気扇、レンジ周りの油汚れ除去」をして部屋を明け渡せばよく、専門業者によるハウスクリーニングは大家さんの都合で次の入居者を確保するために行うものだと裁判所は判決を出しています。
平成16年10月29日判決 東京簡易裁判所
平成17年12月16日判決 最高裁判所


クロス、壁紙の張り替え代を請求された


入居者がクロスに「キズや落ちない汚れ」を付けていない場合、張り替え費用を支払う必要はありません。
もし、キズや落ちない汚れを付けてしまった場合、張り替えるのは、その1面だけでよく、1つの面を張り替えたために他の面と色が合わなくなり、色合わせのため他も張り替える場合は、その部分の負担は大家さんになります。

タバコのヤニがクロスに付着し、クリーニングでは落ちない場合など、ひと部屋分のクロスを張り替える場合は、その全額を入居者が負担する必要はなく、「国土交通省のガイドライン」で入居年数による入居者の負担割合で工事代金を支払えば良いとされています。

例えば、入居年数3年で6畳の壁1面のクロス、壁紙を張り替えた場合、入居者の負担は工事代金の50%で構いません。


カギの交換費用を請求された


入居者が故意・過失(わざと・不注意で)カギを失くしたり、壊していなければカギ交換の費用を支払う必要はありません。「国土交通省のガイドライン」では入居者の故意・過失がない場合、カギの取り換えは入居者の入れ替わりによる物件維持管理上の問題で、大家さんの負担としています。

過去の判決では、カギ交換費用の負担割合について、入居者の退去後、新しい入居者を入居させるためカギを交換するのが一般的だとしています。仮に入居者から合鍵含むカギ全部の返還を受けても、他の合鍵が作られているいるかもしれません。防犯上、新入居者のためにカギ交換せざるを得ず、貸主(大家)にとって「必用経費」と考えるべきとして大家さん負担としています。
平成2年3月14日判決  大森簡易裁判所
平成2年11月16日判決 東京地方裁判所


諸費用を請求された


諸経費、現場調査代、雑諸費などとして諸経費を請求してくる場合があります。これは賃貸物件の仲介業者などの会社運営費で入居者が支払う必要は全くありません。
敷金・保証金は入居者が家賃を滞納した場合等の担保金、通常の使用を超える荒い使用をしたことによる部屋の損傷等を復旧する時に使用されるものと位置づけられています。従って、損害賠償等がある場合のみ差し引かれるもので「使途不明金」に使用されるものではありません。
昭和48年2月2日判決  昭和49年2月2日判決
昭和40年3月19日判決 昭和48年2月2日判決


退去時に現状回復請求書に署名してしまった


敷金・保証金精算は入居時の契約書と、入居期間中に入居者がどのように使用したかで判断します。本来、入居者が支払う必要ないものを契約書に入居者負担と記載し、退去時の立会いで署名しても入居者に支払う義務は発生しません。

福知山簡易裁判所 平成15年4月4日の判決では、本来負担義務のない、畳張り替え料金も入居者が負担しなければならない旨の説明を貸主(大家)が派遣した業者が述べ、入居者は署名、捺印したが、その承諾は真意ではなく詐欺による意思表示であるとし、無効としました。


敷引償却特約が契約書に記載されていた


敷引償却(単に敷引きとも言います)とは、入居期間の長さや部屋の使用状況に関係なく、入居者の退去時に敷金・保証金から無条件に差し引くという性質の特約です。

礼金は、最初の契約の時点で大家さんに支払うものであるのに対し、敷金償却は退去時点まで預かった敷金を、退去時に正式に大家が受け取るというものです。

最高裁判所では、あまりに高額なものは無効とし、常識的な範囲内であれば有効としています。常識的な範囲とは、家賃の2倍~3.5倍程度を言います。

礼金を先に支払っている場合、敷金償却は大家さんの2重取りとなるので無効となる可能性があります。

裁判所の判決でも、有効・無効が分かれるグレーゾーンです。事案により返還されるかされないかは相手の反応次第の部分が大きいので、ぜひ当事務所にご相談ください。


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